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不流斎の日記

不易流行 不易を知らざれば基立ちがたく 流行をわきまえざれば風新たならず

【学習指導要領改訂】思考力・判断力・表現力 欧米水準が本当に必要

ifrmikio.hatenablog.com

 欧米では幼稚園から高校までどんな教育をしているか、欧米では幼稚園から小学生までの重要且つ大切な時期に教科書や宿題でどんなことを実践しているか私の知りえる範囲で事例をあげて、これからの日本の学習指導要領改訂と教科書改訂、授業内容変更と家庭学習そして塾でどのような教育が必要なのか羅針盤を示します。         

学習指導要領での改定は、前回でも書いた通りおおきく分けて①『知識・技能』②『思考力・判断力・表現力等』③『学びに向かう力、人間性等』です。そして「個別最適な学び」と「協働的な学び」であり、これらを実現するために、ICT授業が必要とのことです。

文部科学省が目論む学習指導要領改訂版は、我々が幼稚園や保育園、小学生、高校生で学んだことより高度な内容と推察します。例えば、大学生の読書量を例にとると、個人差によりますが「日本の大学生は年間100冊」一方「アメリカの大学生は年間400冊」で、日本の大学生の「4倍の読書量」です。             

これだけ読書量の差があると社会人になった場合、又は社会に出た場合その差は歴然です。この差から推察すると、欧米では幼稚園から高校生までの読書量も日本より多いことが推察できます。

欧米では、幼稚園教諭、小・中・高の教師は大学院卒の教師あるいは大卒の教師や教諭でも優秀な学生が教師や教諭になっています。日本の塾みたいなものがあっても、そこの講師は教師や教諭以上に優秀な人たちです。                  

大きな違いは日本みたいな教科書検定委員による教科書の不条理な検閲がほとんどありません。「事実をありのままに伝えて」自分の頭で思考させ、討論させる仕組みです。例えばアメリカでは小学5年生の教科書で繰り返し「事実」「意見」を区別することを繰り返し教えているそうです。日本では考えられないことです。        

 木下是雄先生の「理科系の作文技術」でも同様の記述があります。その内容を一部抜粋します。「事実」「意見」の区別は以下のようになっています。

 事実:ジョージ・ワシントンは米国の初代大統領であった。

 意見:ジョージ・ワシントンは米国のもっとも偉大な大統領であった。

これでわかるように、我々日本人は学校教育で「事実」と「意見」を明確に区別する重要さを学んでいませんでした。最も重要なことは、新聞、テレビ、インターネット、SNS、新聞、雑誌、本」を読むときや文章を書くときでも「事実」と「意見」を明確に区別することが重要であり、「事実」と「意見」を読み分け、書き分けることは子どもに限らず我々大人達もこれから生きていく中で社会生活の重要な助け船となります。 新明解国語辞典三省堂)では、「事実」とは実際にあったことがらで、誰も否定することができないもの「意見」とはある問題についての個人の考えと記載されています。木下是雄先生は「事実」とは証拠をあげて裏づけすることができるもの「意見」とは何事かについてある が下す判断であり、他の人はその判断に同意するかもしれないし、同意しないかもしれない、としています。                     

立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏の「人生を面白くする本物の教養」の著書で以下のことを言っていますので、一部抜粋して記述します。           

第1 自分の頭で考えること。

 その著書で、 勉強の目的は「専門のことであろうが、専門外であろうが物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明」できるようになることです。また「知っている(知識)ということだけでは不十分で、知識に加えて、それを素材にして「自分の頭で考える」こと」と言ってます。実際にある事例を以下に引用します。       

第2  イギリスでは小学生から学校の宿題で「考える力」を教育している。 

小学校6年生に以下の宿題を出したそうです(イギリスのロンドンの小学校。)。

1 中世に中世にサセックス地方の裕福な農家に嫁いだ女性の日記があった      

2 その農村を仕切っていた地主の執事が書いた記録もあった            

3 19世紀にその時代を調べたオックスフォード大学の教授が書いた「サセックス

 方の農家の形態」という論文もあった  

この三つを読むにあたって、どういう点に注意すればよいか、という内容の宿題であった。友人の娘さんの考えは、 

➀嫁いだ女性の書いたことには嘘はないと思う。村で起こったことがありのままに書かれているだろう。でも自動車も電話もない時代だから自分の目に見える狭い範囲にとどまっているだろう。

②地主の執事が書いた記録は、おそらくより多くの年貢を取りたいという気持ちが働いているだろう。作物の収穫量などを加減して書いている可能性がある。       

➂オックスフォード大学の教授論文は客観的に見えても、どこかで自分に都合のいいように脚色されている可能性がある。だから頭から信じないほうがよいと思う。    

このように答えようかと思うと、父親に相談したということです。これがイギリスの現地の小学校の教育であり宿題です。現地の日本人学校と雲泥の教育格差です。

北欧では義務教育で子供たちに現代社会を生き抜くために必要不可欠な実践的教育を行っているそうです。その一例として、選挙について教えています。北欧では子どもたちに選挙について、次のように教えるそうです。 

もしあなたが有力候補を支持するなら三つの方法があります。            

①有力候補に投票するか

②白票で投票するか、棄権するかのどれかです。                 

➂逆に有力候補を支持しないならあなたには一つの方法しかありません。すなわち投票所に行って別の候補者の名前を書いて投票するしかありません。        

 非常に分かりやすいですね。この選挙システムは日本の選挙システムそのものですが、この北欧の子どもたちより劣る日本の評論家は、有力候補がいない場合は棄権しなさいとか、白票を投じなさいなどと、北欧の子どもたちよりはるかに劣ることを言う評論家は評論家を止めるべきです。

以上のようなことが欧米では当たり前に日常茶飯事に授業や宿題で行われています。これでは、日本の教育は到底太刀打ちできません。はたして、文部科学省の学習指導要領で目論む①『知識・技能』②『思考力・判断力・表現力等』③『学びに向かう力、人間性等』です。そして「個別最適な学び」と「協働的な学び」です。そして「個別最適な学び」と「協働的な学び」で欧米に肩を並べることができるのでしょうか。     

それには教師・教諭、塾講師、我々大人も子どもたちと一緒に学び、欧米流の『知識・技能』『思考力・判断力・表現力等』『学びに向かう力、人間性等』です。「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実践することが必須です。

子どもたちの10年後、20年後の成長に期待しましょう。

本日はこれで筆を置きます。