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不流斎の日記

不易流行 不易を知らざれば基立ちがたく 流行をわきまえざれば風新たならず

まだまだ低い日本の最低賃金 全国平均時給930円は低い!!日本商工会議所の改革必要

 中央最低賃金審議会最低賃金が過去最高の23円引き上げられました。良く頑張ってくれました。まだまだ欧米と比べると低賃金ですが評価しましょう。それにつけても、日商三井会頭は相当不満ですね。老害なので引退したほうが良いです。以下三井会頭の談話を引用します。

最低賃金改定の目安が過去最大の引き上げとなったことについて、日本商工会議所は「東京で4回目となる緊急事態宣言が出されるなど、先が見通せない経済情勢の中、最高額となる大幅な引き上げとなったことは極めて残念であり、到底納得できるものではない」とする三村会頭のコメントを発表しました。  さらにコメントでは「中小企業、小規模事業者の窮状、とりわけ困窮している飲食業や宿泊業などの事業者の実態や痛みを理解していない結論と言わざるを得ない」と批判。「多くの経営者の心が折れ、廃業が更に増加し、雇用に深刻な影響が出ることを強く懸念する」としています。

 しかし、コロナ禍でもっと深刻なのは非正規社員やシングルマザー等の方々ですよ。最低賃金が上がらなければ、如何に優秀な将来有望な子どもがいても、環境整備や十分な教育、技術、技能を身に着けさせることができません。

諸外国では最低賃金の引き上げが相次いでいます。2021年の引き上げ率は、アメリカで4.3%、EU27カ国の平均は2.5%でした。最近発表された上海は4.5%、オーストラリアは2.5%、カナダは11.6%となりました。また、韓国は来年の最低賃金を5.1%引き上げると決めています。先進国の最低賃金は次第に1178円になってます(購買力調整済みの金額)。

欧米諸国では、最低賃金は経済の専門家と統計分析を中心とした専門委員会が、ビッグデータなどをベースにして、科学的根拠を重視して決定しています。特に、アメリカではワクチンの普及が進み、飲食・宿泊業で雇用と賃金が最も伸びていることに注目したいです。

一方、日本の最低賃金は、中央最低賃金審議会において、労働組合と商工会議所などという利害関係者が「腕相撲」をして合意するという、時代遅れのやり方で決められています。科学的根拠に乏しく、ただの感情論になりかねない危険な決め方で、経済発展の機会を犠牲にしています。

 日本では、非正規雇用が増加したことをネガティブにとらえる風潮が強いです。非正規雇用が増えたことで、給料が上がらなくなり、その結果、日本経済がおかしくなったとみる傾向が強いようです。それは事実です。

国の「生産性」は付加価値総額を国民の数で割ったものです。例えば、国民の半分が就労しているのであれば、付加価値を労働者数で割った「労働生産性」は国全体の生産性の倍になります。労働生産性が1000万円で、労働参加率が50%ならば、生産性は500万円となります。つまり、労働参加率を高めるか、労働生産性を高めるかによって、全体の生産性は引き上げられるのです。

労働生産性が上がらなければ、実質賃金が上がらない」のではなく、「実質賃金が上がらないと、労働生産性が上がらなくなる」と結論づけているのです。主要19カ国の長期間のデータの分析によると、実質賃金の成長率が1ポイント上昇するごとに、労働生産性が0.31~0.39%ポイント上がるとされています。

やはり、商工会議所は経済学の専門部隊ではなく、あくまでも中小企業の経営者の利益を代表する組織だと理解して、発言を割り引く必要があります。

労働市場規制緩和の悪影響を最も強く受けたのは、日本とイタリアです。日本もイタリアも1945年以降に高度成長期を迎えました。日本もイタリアも、1980~90年あたりまで、高度成長の経済モデルとして絶賛されていました。

さらに1990年以降、両国では経済成長率が大きく低迷し始めて、2019年にはアメリカやドイツから大きく引き離されています。1990~2019年の間、先進国のGDPは平均1.89倍、OECDでは1.87倍、人口増が続いているアメリカのGDPは2.03倍になりました。しかし日本のGDPは1.32倍、イタリアのGDPは1.23倍と低調でした。ちなみに、韓国経済はこの間、4.07倍に増えています。

平均給与で見ても、日本とイタリアの低迷が目立ちます1990~2019年の間、他のG7の国の平均給与は30~50%増えているのにイタリアは3%、日本は6%しか増えていません。生産性向上率を見ると、1990~2019年の間、日本の成長率はイタリアを下回って、G7の中で最下位です。

両国では、労働生産性も低迷しています。1990年から2019年までの間、イタリアの労働生産性は11.3%しか伸びていません。この伸び率はG7の中では最低です。日本は2番目に低い21.3%でした。

日本とイタリアの最大の違いは、労働参加率にあります。日本の労働参加率は非常に高いのに対し、イタリアでは非常に低くなっています。就業者を生産年齢人口(15歳以上65歳未満)で割った比率では、2020年のOECD平均は77.3%でしたが、イタリアは34位の71.4%でしかありませんでした。ちなみに、日本は6位の85.6%でした。

日本では、非正規雇用が増えたことによって労働参加率は高まり、2020年にはOECDの中で6位になりました。G7平均の79.7%より高い85.6%です(就業者数を生産年齢人口で割ったものです)。特に、安倍政権の間に就業者数が大きく増加しましたが、その大半を女性、高齢者、学生が占めています。

日本の最低賃金の水準は、諸外国の4分の3くらいしかありません。この水準では、モノプソニー(買い手独占)を制限するには不十分です。その結果、労働市場規制緩和を機に、経営者は人件費の削減に走りました。さらに外国人労働者を増やしたこともあり、実質賃金の低迷が諸外国より顕著になったのです。

このように考えていくと、労働市場を緩和をするときには、最低賃金の引き上げもしっかり講じる必要がある」という結論になります。だからこそ、アメリカの各州は、コロナ禍であっても最低賃金を継続的に引き上げているのです。本では最低賃金は「社会保障政策」の一環と捉えられています。極論すれば「最低賃金とは、人が生きる最低限の賃金を保障するものだ」という発想です。

最低賃金は「経済政策」の一環として考えるべきだと考えます。これは「賃金の下限をいくらにすることが、経済全体にとって最適になるか」という考え方です。

今回、非正規雇用の増加の影響をみると、労働市場規制緩和は実質賃金の低下につながっているので、日本では最低賃金を経済政策として使わざるをえません。

なぜなら、人口が減少する中で個人消費を守り、増やすには、実質賃金を高めるしかないからです。しかし、これまでの労働分配率の低下を見れば、経営者が自主的に賃金を引き上げるとは思えません。やはり、人口減少の下では、賃金政策を経済政策の中心に据えなければならないのです。

日本商工会議所は、最低賃金社会保障政策であって経済政策に使ってはいけないと強調しています。日本商工会議所は一部の中小企業の経営者利益を代弁する団体で、経済全体のことを考える立場にはありません。当然、最低賃金の引き上げには必ず反対します。

三者のガバナンスが効かないオーナー企業の分配率が正当かどうかを経済学者に検証されたくないから反対しているのだと勘繰りたくなってしまいます。彼らが反対するからこそ、経済政策にするべきなのです。

日本はこれから、労働市場規制緩和構造改革を進めながら、企業の設備投資を促し、人件費の削減を制限するため、最低賃金を継続的に引き上げることを政策にするべきだと考えています。経済の究極の正義は、家庭の収入を毎年、確実に少しずつでも増やすことにあることです。

日本の労働生産性「韓国以下34位と衝撃の低い値」です。これは、日本商工会議所が絡んでいるのです。それが諸悪の根源です。

最低賃金を欧米並みに引き上げ、労働生産性をあげるために、企業の設備投資を促し、人件費の削減を制限するため、最低賃金を継続的に引き上げることを政策にするべきだと考えています。経済の究極の正義は、家庭の収入を毎年、確実に少しずつでも増やすことにあることを忘れてはいけません。

私は純粋な保守主義ですが、今の政権では、経済だけに限らず、社会保障、次世代を担う未来のある子ども達が欧米諸国に後れを取り、能力を遺憾なく発揮できなくなることを非常に心配しています。

そのためには、日本商工会議所をぶち壊し、新しい日本商工会議所にするために、我々18歳以上の国民は「選挙権」という権利で、権利のための闘争で真剣に政権交代を実現させる時期にきています。権利のための闘争で、最低賃金を米国並みの「時給1178円超えの最低賃金」を獲得し家庭の収入を毎年、確実に少しずつでも増やすことにあることを忘れてはいけません。

本日はこれで筆を置きます。